人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束
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気骨の人澤地久枝さんが聞く誇りに思う日本人・中村哲医師のこと, 2010-07-15
この本を読んで思った。中村哲医師こそ、日本人として誇りに思える日本人の一人ではないだろうろうかということを。
いま、63歳になる中村医師が、ハンセン病の根絶のためにパキスタンのぺシャワールに赴任したのは、1984年のことである。
そこで見たものは、1日歩き続けてやっとたどりついた診療所で母親の腕の中で診察を待たずに息を引き取る子供の姿。大かんばつで井戸が枯れ、泥水を飲んで渇きをいやす子供は、 赤痢や感染症で死んでいった。医療だけでは救えない現実。きれいな水と食糧さえあれば・・・・。
そこで、中村医師は、医療活動をしつつ、井戸を掘り、さらにアフガニスタンの土漠の地に用水路も作るようになったのである。
いま、用水路は開通し、3500ヘクタールの農地が回復し、15万人(60万人とも)の難民が故郷に戻ってきた。
なぜ、一人の医師がこのような命を賭けた無私の行動ができるのだろう。誰もがそう思う。その答えを見つけようと迫ったのがこの本だ。
聞き手の澤地久枝さんは、「警察の取り調べもここまでは」(中村医師)という鋭く迫るインタビューで中村医師という人を育んだ原点に迫っている。
中村医師がクリスチャンであること、伯父は『花と龍』の作者、作家の火野葦平であること、祖父は、『花と龍』のモデルの玉井金五郎であること…などが語られるが、中村医師を突き動かすものは、単にそれだけではないだろう。知ってしまった以上引き下がれないという胆力 今も無人機による空爆が続くアフガンで『武力で平和は守れない」ということを証明して見せたいという正義感…
もちろん、この活動は医師一人の力でできるのではない。多くの日本人がぺシャワール会の活動を募金で支えている。
日本の政治も経済も混とんとしている中、今も黙々とアフガンの酷暑の中で用水路を掘る一人の医師のことを思った。
深い志を共有する者同士が、語り合うことで生まれた1冊の本。この本を、志すことを忘れた日本人にぜひ読んでもらいたい。特に若い中学生や高校生に。
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哲さんの アフガニスタン 報告記, 2010-07-13
0.タイトル
一般論として、人様の名前を気安く呼ばないものだが(名字を呼ぶ)、5・7・5のタイトルにしているため、気安いタイトルになりました。申し訳ありません。
1.内容
ノンフィクション作家で有名な、澤地久枝さんが、アフガニスタン支援をしている団体・ペシャワール会の現地代表である、中村哲さんが、主にアフガニスタンの現状を語ったもの。沙漠(砂が増えるのではなく、水がない状態、の意味)化著しいアフガニスタンにおける水路建設(住民が戻ってくるようになったという)、アフガニスタン人の特徴、アルカイダとタリバンの違い(アルカイダ都会、タリバン田舎、のイメージ)、他国の軍事介入が現地の人の生活を壊していること、日本の自衛隊派遣のせいで現地支援がやりにくくなったこと(車の「JAPAN」の文字を消したという)、などが書かれている。
2.評価
最初のほう(40ページあたり)をはじめ、選択の自由や経済の観点からはどうかと思う記述もあるが、日本で恵まれた生活を送り、情報は新聞などのマスメディアであろうおおかたの日本人にとっては、見もしないのに現地で支援している人の見解はそれなりに尊重すべきだと思った。そんな気持ちで読んでみると、アフガニスタンとはどういう国か、アメリカなどの軍事介入の何が問題なのか(戦争自体も問題だが、文化を尊重しないのも問題)、などがわかり、有益な本なので、星5つ。最後に、あえて書かなかったが、著者の半生、家族のことも書かれている。
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まず何をするのか?, 2010-05-25
知人たちの何人かが最近人権平和活動で国立大学などに職を求めています。何人かは国際的な実績ですが何人かは大物を経由した「政治枠」で求職したとしか思えず、やや不快な思いをしています。平和といっても所詮目立つこと、受けることだけで何も助かっていないのではないか?そういった疑問が時々起きます。
この本では、そういった悩みの影さえありません。正に「真心は信ずるに足る」のでしょう。
瑣末な事柄で自分の中にノイズが発生したことに多少自己嫌悪になる、そういった好著です。一読あれ。
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崇高な信念と使命感の極致。, 2010-05-24
アフガニスタンのハンセン病患者たちの命を救うべく医師としてこの地に赴くも、現地の惨憺たる環境に医師としての限界を感じ、荒廃した砂漠地に豊饒な水をもたらす為の水路建設こそ自らの使命と実感、以来25年を経た今もそれに尽力する「ペシャワール会」代表の中村哲氏の新著。今回は、ノンフクション作家澤地久枝との対談方式となっており、氏の人物像と生き方を知りたい人たちにも恰好の入門書となっている。
氏の功績は、日本人のNGO活動家の中でも先駆的かつ抜きん出たものであり、人間としての良心と崇高な信念の極致と呼べるものだ。一口に水路建設と言っても、日本から遠く離れた未開の地で、財も技術もない素人集団がそれを20年以上も作り続ける、本当に気の遠くなるような道程だと思うが、辛苦な過去に殆ど触れる事なく、淡々と語っているその誠実さに人間としての度量の大きさを感じる。
インタビューは、08年と09年の2回に分け行われたもの。911以後テロリストの巣窟としてアメリカの報復攻撃が激化し、日増しに治安悪化で危険が増幅している中、相変わらず現地に残り陣頭指揮を執る唯一の日本人としての使命感の強さ。
“タリバン”との名で総て括られてしまい、それが先入意識として独り歩きしてしまう事の危うさや、その国が持つ宗教や文化、民族性や風習への理解をしようとしない傲慢さへの警鐘は、現地で生き、熱い信頼関係を得た氏の言葉だけに重い。
米軍の容赦ない無差別殺戮への怒りについても触れられているが、何より印象的に感じたのは、砂漠化した大地が水路建設が果たされる過程で緑化され、人々の生活の営みが見えてくる事の喜びと希望だ。
肥沃な穀倉地帯が次々と砂漠化している深刻な事実、正に戦争どころではない。“米軍が武器を捨て、水路を掘ったら、アフガンは親米国となる。”強烈なアイロニーだが、真実だと思う。
本書の冒頭で、澤地が高校生にも分かる平易な表現で、とのコンセプトを掲げているが、若い世代の人たちが、この本を読んで、目の前の世界に捉われる事なく、遠い異郷の国々や他文化にも視野を広げ、そこから自分たちの国を見つめるきっかけを持って欲しい。
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なにをするか、よりも、なにをしてはならないか, 2010-05-03
アフガニスタンについて自分がいかに無知であったか、
気付かされました。
殺戮が殺戮を呼ぶ、とめどない危機的状況。
干ばつに苦しめられる、厳しい環境。
一部の犯罪者の追放=アフガニスタン国民の追放という誤った方針のもと、
アフガニスタンの民族・文化を知ろうともせず、
軍隊を送り込み、国を封じようとすることが、
本当に世界の民を守ることになるのだろうか?
…
真の国際貢献とは?
「何ができるか」よりも「何をしてはならないか」である、
という中村氏の言葉が一番心に残りました。
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人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束
明日を切り開くために
今月の注目本
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